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資料テレワーク・チュートリアル
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    団塊世代とテレワーク

    昭和20年代前半生まれの団塊の世代はこれから数年間、定年退職の時期にさしかかる。現在でさえ、雇用の需給バランスがくずれている労働市場において、今後、一斉に増加する企業定年者は社会の不安定要因になる可能性がある。 
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    急激に少子高齢化が進むことによる人口ピラミッドの歪みには今更ながら驚きだ。我々が小学校の社会科でならった時には、なだらかな山の形であったものが釣鐘状となり、現在は逆三角形といってよい形になってきた。  

    団塊の世代は元気である。進学でも就職でも、そして企業内にあっても常に競争のなかにあり、その分、打たれ強いところがある。 同年代の人間が多いこともあり、良くも悪しくも人と群れることが好きであり、言葉を変えれば人的ネットワークが比較的広いからかもしれない。なにしろマスが大きいから消費の面でも巨大なマーケットである。生産消費の両面において、団塊の世代を経済活動にしっかり組み入れることが大事である。

    企業テレワークは、団塊世代の今後のワークスタイルとして、大いに研究する価値がある。テレワークには適した業務や社員の特性がある。なにより自律性が求められるし、会社全体の業務の流れがわかっていないと一人で離れて仕事をすることは難しい。入社間もない若年社員には適用は困難である。一方、中高年層は業務経験が長く、チームというよりスタッフ職として単独で仕事をしている割合が高い。 また管理者の場合、テレワークに必須と考えられる成果主義にもなじんでおり、時間管理の面においても、米国でいうexempt worker、つまり所定外労働をしても手当がつかない社員層である。

    このような団塊の世代のスタッフ層へのテレワーク適用は企業にとっても企業にとっても好ましい効果を生み出すのではないかと思われる。問題は導入の仕方である。

    テレワークは、訳せば在宅勤務である。在宅勤務という言葉には余りよいイメージがない。企業の勝手で社員の意向に反して命令されるからであろう。社員に選択の余地がないのが問題なのである。産業構造が大きく変わり、ライフスタイルやワークスタイルについての意識も変化した。情報通信の発達でテレワーク(在宅勤務)の価値は大きくあがってきた。しかし、サラリーマン、特に団塊の世の働く意欲の根っこにあるのは、企業へのロイヤリティや帰属意識であるのだろう。 

    テレワークには、「在宅勤務」の言葉と違った極めて積極的な概念がある。これは、自律性や自己管理能力という優れた能力を有する社員が、仕事をより効率的に遂行するために、自分の状況にあった勤務場所を選択するという点である。団塊の世代自身、在宅勤務、いやテレワークの可能性を高く評価し、やってみたいと思う人間が多いに違いない。

    週に1回か2回、決められた曜日を、テレワーク日とするのである。 

    社会全体にとっても有効である。定年を迎えたある日、突然、社会に放り出されるというのは色々問題が多い。テレワークは、定年までのソフトランディングという位置付けもできるであろう。

    自宅に要介護者をかかえる団塊の世代も多い。家族だけでなく、ボランティア活動など地域コミュニティにおいて、より積極的な役割を果たすことが期待される。 

    能力開発という意味でも積極的に活用できるかもしれない。テレワークには情報リテラシーが必須である。そして、インターネットを使うことにより、廉価あるいは全くタダでeラーニングができる。立花隆さんの本にもあるように「インターネットはグローバルブレイン」なのである。 在宅勤務は在宅留学にもなりえるのである。