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    194. 「軍関係者もテレワーク」 (7月11日)

日本のとある研究機関が最近発表してシミュレーション結果によると、満員電車での通勤が流行病の感染を加速するので、その運行を停止するとその患者数を大幅に減らすことができるとか。日本では、仕事のでき不出来より、「休まず、遅れず」が何より大切であるので、少々の風邪なら無理をおして通勤してしまう御仁も多い。一方、欧米では、そのような場合には迷わず欠勤するので、病気をうつされる危険は少ないが仕事が停滞す ることになる。それは自分自身が患う場合だけでなく、大切な子供が病気になる場合でも同じである。そこで、仕事に支障がでないように欠勤防止策としてもテレワークが有効なのである。少々の風邪であれば、在宅勤務で仕事ができる。

このようにガソリン価格高騰、テロ攻撃、感染症は、近年、米国内でテレワークが推進される大きな要因となっているようだ。ちなみに昨年、連邦政府機関職員に対して行ったというとあるアンケート結果では、これら3大リスクに「懸念がある」と答えた者は次のような割合になっている。

68% 冬季のガソリン価格の高騰
47% テロリストの攻撃
27% 世界的な鳥インフルエンザ流行

このうちガソリン価格高騰は続いており、誰にとっても切実な問題に違いない。それに続くテロリスト攻撃に関しても、半数近くの者が懸念を抱いているのが注目される。軍事関係者のテレワーク

 ところで、米国連邦政府関係機関のうち、最大の職員を抱える大所帯は軍関係である。国防総省(ペンタゴン)等の関係職員総数は約62万人にものぼり、その一部もテレワークをしている。最近の報道によると、その軍関係者の間でテレワークの推進が話題になっているとのこと。それには大規模な基地再編計画が絡んでいる。わが国でも在日米軍の再編問題が大きな話題になっているが、米国内でも昨年、発表された計画によると33の基地が閉鎖になり、他の29の基地が再編されるようである。これだけ大規模に基地が整理統合されると、通勤時間が大幅に増加する職員が多数生じることになる。そこで、その対策として、テレワーク、すなわち週の一部あるいは大半を自宅などでの勤務が可能とすることで長時間通勤の頻度を減らすことが考えられているのである。( DOD gets on the telework bus, http://www.gcn.com/print/25_17/41152-1.html

IT活用による作業場所の柔軟化はそれだけではない。海兵隊では、バージニア州クワンティコにある戦闘展開司令部(Combat Development Command div.)に仮想的な作業環境(Virtual Work Environment)を試行導入する計画があり、成功すれば他の部署への導入を図る計画とのこと。

近代戦争は情報戦争でもある。軍関係者は正確な情報が絶えず共有管理できれば、それぞれの職員がどこにいてもいいのだろう。