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    200.「インターネットのお祖父さん」(10月25日)

インターネットの隆盛の基礎になっているTCP/IPという通信方式を作った米国のヴィントンサーフ博士は、「インターネットの父」と呼ばれている。

現在はグーグル副社長でチーフ・インターネット・エバンジェリストの肩書きである。雑誌のインタビュー記事を読むと相変わらず含蓄に富む発言で、世の中にインターネットという福音を伝道する活動を続けられている。インターネットのお祖父さん

実はこのサーフ博士に10年も前、一度だけお会いする光栄に浴したことがある。

慶應大学の村井純教授等が計画し推進されていたインターネットエキスポに、大手通信会社の一員として参加したおりのことである。大手町のビルにエキスポ用の設備を収容する準備が整ったので、村井先生がサーフ博士を連れて、その紹介に来られた。小生は、建物玄関に設置したエキスポ体験コーナーを担当していたので、ついでにこれを見て頂いたのである。

それだけでは何ということはない。実はご案内の途中、博士は階段でつまずかれ、軽い怪 我をされてしまったので、その治療のため急遽近くの病院にお供をさせて頂いたのである。幸い怪我はたいしたことはなかったので、病院待合室で待つ間、しばし博士とお話させて頂くことができた。

その時、小生は、小学校低学年の息子が自宅のMACパソコンでお絵かきソフトで遊んでいるなどを話したら、博士は米国小学校教師のようにオーバーなリアクションで「それは良いことだ」と喜んできいてくれた。一方、インターネットはダイアルアップですと申したら、博士の自宅には、T1(1.5Mbps)の回線が何本もきており快適だと話されたのには流石に凄いものだと感心してしまった。

今では1人で45Mを占有しても驚くにあたらないが当時はWindows95の発売直後で、インターネットエキスポでは日米間に45Mbit/sの回線1本を使えるようにしたことが宣伝文句だった時代である。

冒頭のタイトルはそのサーフ博士がその日の夜のパーティーに出席されたおりの話。直前に「日本のインターネットの父」と紹介された村井先生が、インターネットの父はサーフ博士と彼を紹介したのに対して、博士は腰を曲げ片手で杖をついたポーズをとり、「それでは私はインターネットのお祖父さん」と応えたものだから、一同拍手喝采したことを覚えている。(10月25日)