A2A研究所でインターンをすることになって初めて、私は「テレワーク」という言葉を知りました。初めて聞いたときには電話を使って仕事をすること?と勘違いしていたほど全く知識がなかったのですが、インターンをしていく中でそれが今後の社会の新しい働き方として潜在的な力をもち、注目を集めているということが徐々に分かってきました。特に印象に残っているのは、企業が戦略としてテレワークを利用し始めているということと、テレワークで仕事と家庭の両立を図る「ワークライフバランス」が実現できるということです。
企業が導入している事例は、インターネットで検索するとかなりたくさんあることが分かりました。ある情報通信の会社では、全社的にテレワークができる環境を作り、社員全員がパソコンを持って自分の自由な場所で時間を作り、仕事をするというスタイルを導入したそうです。テレワークには在宅勤務という形態も含まれます。その企業では在宅勤務も含むテレワークは企業戦略の一環であり、創造的な仕事を生み出す手段の位置づけになっています。実際に、社員の方は営業先からPCを使いネット上で情報共有ができるので、会社に戻る必要なくまた次の営業先にいけるというメリットがあり、会社の中でも固定の席をなくしたため、部署間の交流も生まれ、新しいプロジェクトも起こりやすくなっているようです。
私は、「働き方」を変えることが「仕事の質」にも影響を与えることを初めて知りました。会社に出勤し、その場所を中心に動くことが当たり前の現在では、仕事の質はその人自身の努力によるものと考えがちです。しかし、ある程度自由な仕事環境を与えた方が、その人自身にあった働き方ができ仕事の質の向上につながるとは新しい発想だと思いました。今までの働き方にはこだわらず、個人の自律性と成果を重視するという考え方は、今後より多くの企業で導入されていくのではないかと思いました。
また、ワークライフバランスが実現できるということもテレワークのメリットだと思いました。仕事の時間が固定されているとどうしても、家族との交流時間や自然とのふれあいが少なくなってしまいます。しかし、テレワークで自宅でも仕事ができるようになれば、時間の使い方によって、家族と一緒にご飯を食べたり、学校の行事に参加することも可能になります。
仕事以外の家庭で過ごす時間も自分の人生の時間の一部です。仕事だけになるのではなく、テレワークを大いに活用することで家庭との両立を図ることができれば仕事とのメリハリもつき、自分の精神的にも充足感を得られるでしょう。今、問い直されているのは、自分のもち時間をどのように生きるか、ということです。会社に依存するのではなく、自分個人の考え方、生き方が重視されるようになってきた現在、生きている時間の多くの部分を占める「労働」のしかたを変えることが大切になってきているように思います。そうすることで、多くの人が年齢に関係なく、自分の力を一番発揮できる方法でいつまでも社会の役に立っているとの実感が得られる社会ができていくと思います。 (11月10日)