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    170. 「テレワークで生産性があがるわけ」 (2月19日)

テレワークを推進する理由の一つに知的生産性の向上がいわれるが、実のところこれを証明するのはなかなか難しい。反復して行う定型作業と異なり、テレワークに向いている知的労働では仕事の量や質を定量的に測定するのははなはだ困難だからである。かといって、効果がないわけではない。というよりおおありなのである。

先日、とある企業のテレワーク推進担当者から、テレワークによる業務能率改善について興味ある話をきいた。この会社では数年前から特定部門内の希望する者に週に1−2日を在宅勤務できるように在宅勤務する男性イメージする制度を始めている。その効果を調べるため制度の利用者にきいたところ、多くの社員はテレワークを始めてから仕事の能率が上がったと感じているとのこと。それは次のようなテレワーク実施手順に関係しているようだ。勤務者は前週末までに翌週のどの日に在宅勤務するかを上司に知らせるが、その際には何の仕事をどこまでやるかを簡単に記す欄があるとのこと。在宅勤務日には終了時に、この目標に対してどこまで行ったかをメールで報告する。このような手順のためか自然に目標の達成責任の意識が高まるらしい。その効果は在宅勤務日のみに限らない。通常の出社日においても業務能率が向上する効果があるのだという。つまり、在宅勤務日の作業目標をたて、その結果を振り返る習慣を通じて、いわゆる自律性が高まるわけである。加えて常日頃いかに時間を無駄に費やしているかを自覚するという。長電話、だらだら会議、それに往復の長時間通勤がそれであり、大した仕事をしなくても通勤で疲れ果てて夜遅く帰宅すると、大仕事をしてきたかのように錯覚するのは常である。

また、在宅勤務日には家族と夕食をともにしたり、幼い子供を風呂に入れることで仕事と家庭の両立の大切さを実感する効果もあるようだ。そこで他の日にも仕事を手際よく片付けて退社するようになる。テレワークの生産性向上とはそういうことに違いない。 (2月19日)