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コラムコラム

    155. 「世田谷ものづくり学校」 (10月27日)

少子化により廃校となる公立学校がめだっている。その後利用のプロジェクトが各地で行われているが、先日、東京世田谷区の旧池尻中学校の校舎を後利用した「ものづくり学校」を見学する機会があった。イデーアールプロジェクト株式会社という民間会社が、校舎全体を丸ごと借り受けて、改修整備し、デザイン関係のクリエイターに「ものづくり」の場を提供している。

従来の学校施設の後利用は行政主導が多かったが、このように民間企業が中心になり、その創意工夫によって地域活性化を図ろうとする試みは珍しい。この「世田谷ものづくり学校」は、リフォームなどの建築デザインを専門とする会社が中心になっているだけにデザインが優れている。学校施設の良さをそのままの形で残しながら、各教室が独立した工房になって学校校舎イメージいる。ニューヨークのクイーンズ地区の廃校利用プロジェクトを参考にしているとのことだが、その理想は近代における芸術と技術の融合に多大な影響を与えたドイツのバウハウスとのこと。バウハウスは1919年にドイツのワイマール市に開設された造形芸術学校であり、教授陣にはカンジンスキーやパウル・クレー等の現代美術の巨匠が名を連ね、後にナチスの圧力で幕を閉じるまで家具や生活様式、グラフィックデザインの一大拠点だった。

もうひとつ、中学校という地域コミュニティの拠点を活用した取り組みが考 えられている点も注目される。 親子で参加する工作教室が開催されていたが、ものづくりの楽しさを体験できる試みである。 今後、民間企業の活力を利用したこのような取り組みが各地で行われるといい。

このプロジェクトについては、以下のページで紹介されている。  http://www.r-school.net/
(10月27日)