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    150. 「この夏の記憶」 (9月4日)

今年の夏は記録的な猛暑だったが、我々を更に熱くしたのは日本選手の活躍が目立ったアテネ五輪だった。この猛暑は数々の選手の映像とともに長く記憶に留まるに違いない。 そして、筆者には、もう一つ、合計2週間にわたる中小企業診断士実務補習という暑い体験もあった。

中小企業診断士の試験合格後に、実際の中小企業にて診断の実習を行うもので、社団法人中小企業診断協会というところが実施しているものである。 筆者が参加した2件の実習では、実習生6名がチームを組み、現状の分析から課題抽出、改善提案を作成した。 このために財務や情報と猛暑で汗を流す男性イメージいった各々の担当分野を決め、ヒアリングや見学、関連資料の収集やチーム内での議論などを通じて提案をまとめ、最終日に経営者に報告するのである。 とはいえ極めて短期間であるし、多くの者は大企業でサラリーマンを続ける身であるので、中には的外れと思われる議論もある。しかし、皆で議論していくうちに結構まともな助言に仕上がってくる。 土日もぶっ通しでアテネ五輪の中継を気にしながらのハードスケジュールだったが、このグループ形式でのレポート作成のプロセスが楽しかった。

年齢も肩書きもとりあえず無視して、協力して一つの提案に仕上げていく作業は大企業では得がたい機会である。 筆者のグループには、新卒20代から30代、40代、それに50代の筆者まで広く分布していたのも幸運だった。そこで感心したのは若い人たちのバイタリティである。レポートを書く段階になると、徹夜に近いことになるが、平気な顔をしている。とても真似ができないと羨ましい限りである。 ITの効用も大きい。 ネット経由で議論を行うことができるし、各自がノートPCを持ち寄り、互いのUSBメモリーを交換することで、簡単に文書が共有化できるし省資源にもなる。

炎天下で歩きまわることもしばしばだったが、振り返れば心地よい記憶である。 日本のビジネスマンは夜遅くまで仕事に追われ大学などに通う人は極めて少ないが、きっと社会人対象のゼミなどは、このような楽しさがあるのだろう。 (9月4日)