今年の暑さは異常だったが、このところ世界的に見てもかんばつや山火事、集中豪雨の被害といった異常気象による被害が続いている。 その原因ははっきりしないが、地球全体の温暖化が引き金になっていることは間違いないようだ。 加えて問題は、温暖化の速度が今世紀にますます加速することである。 中国やインドなどの巨大な人口を抱える国々では、米国や日本が辿ってきた道をこれから歩み始めるからである。 そこで、先進国といわれる国は、積極的に地球温暖化防止の対策を講じて、それを今後成長する国々に技術移転する努力が必要だ。 それには資源を使いまわす循環型社会に向かうことである。 人やモノの動きでなく情報の移動ですむところは極力それに換えなければならない。 テレワークやeラーニングもその方向にあることは間違いはない。
ことにマイカー通勤が多い米国のような国での効果は大きい。 人が一箇所に集中することは、周辺からの物資の輸送も多くなる。 分散型になって必要なエネルギーや物資が近隣から調達できれば効率はいい。 一方、もともと公共交通機関が発達しているわが国ではテレワークによるエネルギー節約はそれほど見込めないかもしれない。 逆に、エアコン使用や冷蔵庫を開け閉めする回数が多くなるから、通勤減少分との収支全体ではどうかという気がしなくはない。しかし、次のような面では、確実にエネルギー節約になる。
第一に服装が薄着でいいこと。
第二に家族の行動パターンである。夕食を一緒に食べる機会が増えるので、食事の準備のエネルギーロスが減るし、風呂を沸かす回数も少なくなる。
それ以上に大きいのは環境に対する意識なのではないか。 分散型になり、職住接近型が進むということは自宅や地域の環境保全に関する意識が高まることになる。 緑化への取り組み、資源のリサイクルの関心も増加するだろう。 このようにテレワークによって直接的に減少するエネルギー消費はわずかなものかもしれないが、このような意識面での波及効果がずっと大きいに違いない。 (8月28日)