8月1日(日)の読売新聞朝刊1面記事によると、文部科学省は、不登校対策として電子メールなどを活用した在宅学習支援を2006年度から全国で実施できるようにする方針とのこと。 秋田県や横浜市などの構造改革特区における実施事例にて効果が認められたので、全国的な展開を考えているようだ。
自宅にいる生徒には先生が電子メールで各教科の問題を送る。生徒は解答や質問をメールで先生に返信する。 これを繰り返すことで学習が深まるだけでなく、生徒はメールを書くことで自己を表現するきっかけができるらしい。
近頃、WEBへの書き込みが原因で殺人事件といったネットにまつわる暗い話題が多い中で、ネットの優れた可能性を感じさせる明るい話題である。 良くも悪しくもネットは恐ろしいほどの力があるが、ことに子供たちへの教育に上手に活用できれば、その効果は計り知れない。 もともと教育は一人ひとり個別であるべきであり、電子メールなどのネット活用によって、教室での一方向的授業では不可能な個別の指導が可能になる。 勿論、万能薬というわけではないが、これによって救われる子供が多いに違いない。 いや救われるどころか、普通に学校に通っていたのでは不可能であった潜在的な才能が発見され、大きく花開くきっかけになるかもしれない。 エジソンをはじめ、古今東西の多くの偉人が実は不登校児だったと告白している。
メールには会話と手紙の中間にあたるような微妙な親近感もある。 その特性を良く知った指導者に恵まれれば、どの段階でつまづいたかがわかり、悩みや希望を伝えることを通じて一歩前に踏み出すようになるだろう。
最近、公立学校でも進度別指導が当たり前になってきたが、Eラーニングも同じ方向にある。 全国の先生の間で指導の進め方が共有され、進歩していくだろう。 もっとも、メールを打つ速度からITの活用に至るまで子供たちの方がずっと飲み込みが早いので、子供の側から教えられる面が多いに違い ない。 (8月5日)