音声読み上げの利用時に配慮して、ナビゲーションをスキップして、コンテンツへジャンプします。
メインメニューへジャンプします。
サイト情報へジャンプします。


ホーム > コラム > 143. 「英国のFWOに関する取り組み」
コラムコラム

    143. 「英国のFWOに関する取り組み」 (7月15日)

少子高齢化の状況や、社会の成り立ちのうえでは日本は米国より欧州に近い。 そう思ってみると、例えば英国政府は、多様な働き方(Flexible Work Opportunity)による仕事と個人生活の両立が企業や個人の両者にメリットがあることを認識し、その普及推進に取り組んでいる。

2003年4月に施行された法律では、6歳以下の子供、あるいは18歳以下の障害者を持つ従業員は、育児のために適した働き方を選択できるよう企業に要求する権利があると定め、監督省庁であるDTIは、その取得を推進するためのガイドラインを公表している。 ここで注目すべきは、個人に対し一方的に権利を認めるのではなく、企業側に無理な負担が生じないように従業員と使用者が互いに話し合い、両者にとっての最適な解決策を探るべきとの姿勢をとっている点である。

その際に従業員が要求できる働き方として、短時間勤務や在宅勤務、圧縮労働時間制(Compressed Hours)などが事例とともに示されている。 短時間勤務や在宅勤務はわが 国でも知られ ているが、圧縮労働時間は我々に馴染みが薄い。 一日あたりの労働時間を長くすることにより、週あたりの労働時間を変えずに週休3日のように休日を増やすのである。

欧米企業ではかなり普及しているが、わが国では、労基法の制約などもあってか採用している企業は極めて少ない。 これについて次のような例が挙げられている。子供を抱く母親イメージ

「保険会社の請求処理係のロバートさんは、月―金の午前9時から午後5時の勤務だが、仕事は週の前半に集中するので、金曜日は仕事が少ない。 そこで、金曜日の早朝に子供の面倒をみるために、勤務を月―木の午前8時から午後6時とするよう申請し、認められた。」  

一方、次は在宅テレワークの例。 「とある会社の女性営業課長は、子供を早朝に面倒みるために週に1回の在宅テレワークを申請した。 事前に同僚に意見を求めたが何ら反対がなかったこと、自宅ではブロードバンドインターネットがあるのでオフィスとの連絡を含む業務に支障がないことを確認している。 使用者側は、個人の事情とビジネスニーズの両者を勘案して、これを認めることにしたが、在宅テレワーク開始にあたり、12週間の試行期間を設定して万全を期した。」

超少子化に揺れるわが国では、英国をはじめとする欧州での取り組みが大いに参考になりそうだ。 (7月15日)