音声読み上げの利用時に配慮して、ナビゲーションをスキップして、コンテンツへジャンプします。
メインメニューへジャンプします。
サイト情報へジャンプします。


ホーム > コラム > 137. 「日本の国際競争力」
コラムコラム

    137. 「日本の国際競争力」 (6月7日)

スイスの国際経営開発研究所(IMD)というところが、世界各国の総合的な国際競争力を毎年調査している。下降イメージのグラフ

 経済力、政府の効率、企業の効率、インフラの4つの面から合計で約3百にのぼる個別の評価項目について専門家が評価しているものだが、これによると2004年度の日本は、前年度の25位より少しあがって23位にランクされている。 ちなみに第一位は前年に引き続き米国である。 日本は1980年代に1位になったものの、その後のバブル経済崩壊や行政改革の遅れが響き、急降下した。 それにしても、そんなに低いわけないだろうと 思う向きも多いと思う。 そこで、上記4分野の評価をみてみると、特許、ハイテク製品の輸出、電気通信などのインフラ面に関する項目では第2位にランクされている。 反対に、政府の効率と企業の効率の面では、調査した60の国と地域(51か国と中国の9地域)中でともに37位と低迷している。 起業家精神やマネジメント層の国際経験、法人税制や外国人雇用など人材活用や投資への魅力などの面での評価が低いことが影響している。

これらは日本の環境や日本人の特性や文化に根ざしているから、そう簡単には改善されないという見方がある。 しかし一方で、明治維新、戦後の復興、そしてオイルショックといった国家的危機に直面した時に示した日本人の底力、柔軟性に希望を見出すこともできる。 つまり危機を認識しさえすれば、変革が進む速度は思いのほか速いのである。 思えば、我々の将来を不確かにしている少子高齢社会も、地球温暖化問題も今世紀の世界共通課題であるから、これに対する処方箋をいち早く示すことができれば競争力強化になるのは間違いないわけだ。


(6月7日)