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    136. 「ドラッカー博士の予言」 (5月29日)

ドラッカー博士は、著書「ネクストソサエティ」(注)において、日本の読者にむけ次のように書いている。 「今日、もっとも求められているイノベーション、特に日本において求められているのは社会的な革新である。」(中略)「そして何よりも知識労働者、特に知識テクノロジストという新しい労働力をいかに生産的なものにするかという挑戦がある。」

博士はこの本で、知識労働の生産性の向上は今後、CEOが考えるべき課題であると繰り返し述べているが、同時にこうした社会的革新についての予測が最も難しい国は日本とも言っている。ベルトコンベアー作業イメージ

わが国は、ものづくりの面では依然極めて高い競争力を維持している。これだけ人件費が高くなっても、カイゼン運動やロボットの導入などによって生産現場の効率化は極限まで進んでいる。 国内拠点は、高度な技術を要し付加価値の高い製品に特化することで競争力を高めている。 一方、生産現場に比べてオフィスに働くわれわれホワイトカラーの知的生産性は一向に改善されない。 起業家精神といった面でもお隣の韓国に大きく遅れをとっている。 これらの弱点はわが国の国際競争力の評価を大きく落とす要因になっている。 ドラッカー博士が言われるように、まさに我々の働き方の革新こそ、歴史が見たことのない速度で少子高齢時代に突き進んでいるわが国に課せられた最大の課題なのである。 (5月29日)

(注)「ネクスト・ソサエティ」 P.F.ドラッカー著、植田惇生訳、2002.年、ダイヤモンド社