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    127. 「奥様は在宅オペレーター」

NHKのニュース10でのレポートだから、ご覧になった方も多いだろう。 先日、主婦の間に在宅テレワークが広がり始めたとの2例が紹介された。

このうち一つは、お客様のパソコン設定に関する電話でのサポートを在宅で行っているご家庭の主婦のケース。 子供を学校に送り出し家事をすませてから、電話とパソコンに向かって、お客様側のソフトの設定の手助けをするのである。 いわばコールセンターの在宅版である。世界を包むネットワークイメージ

やっているのはインターネットサービスOCNのお客様側の設定のサポートをするNTTコムチュアという会社。 これまでは、コールセンターにオペレータを集めてやっていたが、全国に分散するオペレータにコールを転送することで効率的に業務処理するシステムができたので、今では7百名もの在宅ワーカがいるとのこと。

報酬は何件対応したかという歩合制で、レポートされた主婦では1日に6千円位の収入になるという。 家事と仕事を両立させられるし、お客様から、「うまくいった。ありがとう」と言われるのが嬉しいと言っていたのが印象に残った。

もう一つは高知市役所の試験的な取り組みの例。 高知市は、業務効率化や雇用促進の面から、行政サービスのアウトソーシングに積極的に取り組んでおり、市民からの各種問い合わせ業務を在宅オペレータが対応する試みを始めたとのこと。住民票交付やゴミ収集等の行政サービスに関する電話問い合わせに対して、在宅オペレータがパソコンの画面をめくりながら答えていた。 一方で課題も多い。 特に、住民のプライバシー保護の問題がある。 住民の個人情報や周辺の情報を扱うことになるので、その取り扱いについてセンシティブにならざるを得ない。市役所は、そのあたりを十分考慮したうえで検証実験を進めていくとのこと。

実は、コールセンターを中心に、ネットワーク利用による業務の分散化やオフショア化は世界的な傾向になっている。 米国の有力企業の多くは、自社のコールセンターをインドやイスラエルに移している。 米国連邦政府機関においては、電話による仕事が多いワーカは在宅テレワークを積極的に行うようになっている。 わが国でも、紹介された先進事例の経験を積み重ねていくことによって、近いうちに「テレワークは当たり前」の時代が来るに違いない。 (1月25日)