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    128. 「簡単ではない会社設立手続き」

先般、会社をたたむのが大変であるようなことを書いたが、会社を立ち上げるのも結構、面倒である。 わが国では起業率が米国などに比較して非常に少ないが、障害の一つに設立にあたっての手続きや経費の問題が指摘されている。 そこで、株式会社の出資金額とか取締役数の制限を緩和することが検討されているが、おおいに結構である。

実際、会社設立の手続きは厄介である。 そこで餅は餅屋であり、司法書士という専門家に頼めばこの面倒な手続きを代行してくれるのだが、私どもはコンサルを生業とすることもあり、自分たちでやってみることにした。 まずハウツー本を購入して、これに習ったのだが、案の上、いくつかの点で思わぬ失敗をした。 あとでよく考えれば(よく考えなくても)わかることではあったが、ハウツー本にそこまで書いてなかったのである。指導員と相談する人イメージ

まず、会社の名前を決める。 そして本店所在地区に、同じ名前の会社がないかどうか法務局というお役所にて管内に登録されている会社名称のファイルをめくって、類似の読み方の社名も含め事前チェックする。 A2A(エイツーエイ)という変わった名前なのでこれは無事終了。 あわせて、どんな業務を行う会社であるか、決算日はいつかというようなことを設立発起人が決めてこれを定款という文書にする。 この定款文書は袋とじにして、発起人が実印で割り印を押す。 そこで、我々のうちの手続き代行係がパソコンで作成した文書を上手に袋とじにして、発起人をまわって印鑑を頂いてきた。 実印は結構立派であるので、 発起人の人数が多い場合はどうするのだろうなどと考えながら。

ところで、モノの本によると定款に記す業務内容としては、上記に付帯する一切の業務という項目を入れておくべしとのことである。 拡大解釈すると定款自体、意味があるのかとの疑問もわく。確かに、この言葉のお陰ゆえか業務内容が定款違反で捕まったという話はきいたことがない。 いづれにしても、この文言を入れて公証人役場というところに事前チェックしてもらいにいった。

ここで、第一の失敗。 担当の方に開口一番、「発起人の委任状は」と聞かれ、唖然。 それを持っていくべしとはハウツー本に書いてなかったためである。定款には発起人様の印鑑が押してあるし、代表取締役候補も含め2名も雁首を並べているのだからと思ったが、勿論、通るわけがない。建前上は発起人全てで申請するのだから、委任状なのだろう。 これをもらうために再度、印鑑をもらうはめになった。 それから全て定款の内容チェックが澄むかと思ったら業務内容については法務局の管轄なので、そちらにチェックしてもらうことと言われる。

そこで法務局さんに伺った。 こちらでも親切に対応頂いたのではあるが、業務内容の項でどうもうまくないようで上司とこしょこしょ話している。 どうもその筋の用語として適当かという点と、もう一つはxx業務の提供 という「の提供」部分が不要であるらしい。 用語についてはセーフであったが、業務内容を書くところなのでこのままではxx業務の提供を提供するという趣旨になりおかしいというわけ。まあ、そう言われればごもっともであるが、もう一度、袋とじを作り直すのは勘弁してよとつぶやく同僚。 いづれにしても委任状のために今一度、発起人さん回りが必要なので、はいわかりましたと言って出直すことに。私どもの場合はこれだけですんだが、会社立ち上げで忙しいときに結構、苦労する方も多いのではと思った。やはり餅は餅屋に頼むべきかもしれない。(2月1日)