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    99. 「地球温暖化とテレワーク」

テレワークが世の中の注目を集めるようになったきっかけは、1970年代前半、米国で始まった第1次オイルショックだった。 エネルギー危機が叫ばれガソリン価格が急騰するなかで、マイカー通勤自粛が呼びかけられた。 ただし、オイルショックがなくても、大都市における交通渋滞と、それによる大気汚染は深刻な事態に陥っていた。 「テレワーク」あるいは「テレコミューティング」という言葉の生みの親といわれるジャック・ニルズさんは当時、南カルフォルニア大学で宇宙工学の先生をしていたが、ある時、「月に人類が行く時代となったのに、交通渋滞が解消しないのはどうしてか」という問いに窮して、テレワーク研究をはじめたという。

現在、米国でのテレワーク人口は、約2300万人に達しており、なお増加の一途にあるという。  雇用や労働に対する考え方など、テレワーク推進の条件や背景がわが国とは相当異なるため単純比較はできないが、大きな人口であることは間違いがない。 新たなサービスやビジネスモデルを次々に生み出しているこの国の創造性とダイナミズムは、テレワークなどの柔軟で多様な勤務形態とも無縁でない。温暖化する地球人イメージ

しかし、この米国も今世紀最大の課題の一つである地球温暖化には今のところ極めて消極的である。 発電所や工場では旧式な設備が大量の温暖化ガスを発生している。日本と比較して電車やバスなどの公共交通機関が劣るためマイカー通勤がまだまだ多い。 都市部での交通渋滞緩和策として相乗り通勤(カープール)を勧めたり、ラッシュ時間帯には一人乗りを違反とするHOV(High Occupancy Vehicle)レーンが導入されているが、地球温暖化防止にはまだまだである。 燃料やエンジンの改良などとともに、テレワークの更なる普及によってマイカー通勤の車両数を更に削減することが求められるであろう。 一国で地球全体の25%もの温暖化ガスを放出している状況は早晩許されない状況になると思うのである。 (9月11日)