eジャパンにeビジネスに、eガバーンメントと電子的を意味するイーがはやりである。 確かに文書を電子化し、ネットワークでやりとりできるようになると便利ではある。 しかし、何もかもパソコンやネットでいいわけではない。 人間は感情の動物でもあるから、面と向かって話したり、相手の気持ちを考えたヒューマンタッチが非常に大切である。
かつて次のようなAT&T長距離電話サービスの広告があった。
A long distance call is the next best thing to being there.
電話会社なのに長距離電話はセカンドベストであり、一番いいのはそこにいてあげることと言うのである。 受話器を持つ女性の夢見るような眼差しの写真とともに今でもよく覚えている。
eラーニングも同じである。 ネット上では、講師の微妙な表情、会場での熱気といった「雰囲気」が伝わってこない。 この「雰囲気」なり「熱気」まで伝えられる臨場感通信が研究開発されているが、実現は先の話である。 eラーニングは「いつでもどこでもできる」ので、「いつでもどこでもよい」と後回しにされることにもなる。 そこで、eラーニングの場合でも期限を定めたり、コース内容に変化をもたせることで緊張感や達成感を高めるヒューマンタッチの要素が求められる。
メンターと呼ばれる指導係が適宜、アドバイスする仕組みがあると放ってはおけなくなる。 これにはeメールが主な手段であるが、節目となるタイミングでネットでない手段をとるのが効果がある。 コースの途中に集合研修が組み込まれているといい。 晴れて修了した暁には、それなりのご褒美があるといい。 修了証書をネットでもらって自分でプリントアウトするのでは味気ない。 しゃれたシールとか偉い方のサインがあったりすると様になる。 更に、これを人前で渡してもらうと励みになるだろう。 子供の学校ではよくやる手ではあるが、大人でも同じではないだろうか。(8月11日)