音声読み上げの利用時に配慮して、ナビゲーションをスキップして、コンテンツへジャンプします。
メインメニューへジャンプします。
サイト情報へジャンプします。


ホーム > コラム > 85. 「少子化問題と沖縄」
コラム コラム

    85. 「少子化問題と沖縄」

少子化対策のための法律が先月、相次いで成立した。 7月9日に成立したのは、次世代育成支援対策推進法というもの。 ここでは、自治体と3百人を超える従業員をもつ企業は2005年度から10年間の行動計画作成が義務づけられた。

7月23日には少子化対策基本法が成立している。 ここでは保育サービスの充実などの基本的な施策や、対策の策定と実施についての国と自治体の責務、企業に対する協力の責務、更には国民の責務(?)をも規定しているという。南国の海岸イメージ

しかし、法律の実効性について早速、疑問が投げかけられている。 少子化は先進国共通の大問題であり、その解決は一筋縄でいかない。 社会の仕組みから私たちの働き方にいたるまで根が深いのである。

心理学者の加藤諦三さんは、近著「日本型うつ病社会の構造」の中で、子供が可愛い、結婚して子供をもちたい育てたいと思うのは自然な感情だが、それが少なくなったのは、日本社会がうつ病的になっているのが原因と言っている。 それを直すには、経済成長一本やりの発想を変えて、日本人の性格や特性にあった仕組みや考え方に改める必要があるとしている。

ところで、合計特殊出生率を都道府県単位でみると興味深い。 これが最も高いのは沖縄県である。 それも図抜けて高く、全国平均を0.5ポイントも上回っている。

沖縄出身者に言わせると、家族、兄弟が多く、子育てもお年寄り含め、相談や手助けする人が多いからだとのこと。

沖縄は長寿の県でもある。 ことに、女性の平均寿命は20年以上にわたり全国一位を続けている。 女性の社会進出も進んでいる。 沖縄出身者には安室奈美恵さん、スピード、「ちゅらさん」の国中涼子さん、オバアこと平良とみさんなどなど、元気な女性が多い。 一方、男の平均寿命の方は全国ランキングの中位に低迷しているが、その原因は喫煙率が高く、肺がんの死亡率が第一位など、中年までの死亡率が高いためとか。 いづれにしても、日本の古き良き伝統を維持している住みやすい県なのだろう。 (8月1日)