落語や漫才のことではない。れっきとした一流企業の社是である。
京都には独自の企業文化をもつ企業が多いがその一つに、分析・計測機器の総合メーカの堀場製作所がある。 自動車排気ガスの分析装置は世界中の自動車メーカで使われている。 今年、創業50年を迎えるこの会社は創業者が築き上げたユニークな企業文化を継承している。 その社是は「おもしろおかしく」である。 会社のホームページにも紹介されているが、社員にはプライドとチャレンジマインドをもつ企業家精神、個性的アイデア、改革の実現を掲げている。 「出る杭になれ」「いやなら(会社を)やめろ」とも書いている。
http://global.horiba.com/about/spirit/f_index.htm
この会社は、労働条件の改善にも積極的にとりくんでおり、昭和61年から月に1回ではあるが、週休3日の勤務制度を実施している。 1日の勤務時間(7時間45分)を15分延長して8時間とすることで、月に1日の休日分を作り出し、3連休としているのである。 このような時間管理はCompressed Work Scheduleの一種であり、欧米では珍しいことではない。
堀場製作所のホームページによると、今は月に1回だが、これを月に2回に増やすのが目標であるとのこと。 さらに驚いたことには、琵琶湖に近い大津市内に5万6千平方メートルの用地を確保しており、ここに工場と寮を建設し、全寮制にして完全週休三日にするという構想もあるとのこと。 「休んで英気を養え」はホリバのモットー、とらえどころのない大企業になるよりも、「偉大なる中堅企業」であることが、まず第一にホリバの望むところですと書いている。
こうした独自文化をもつ企業が、地方に群雄割拠するようになると、国全体が「おもしろおかしく」なり、ニッポン再生につながるのだろう。 (7月21日)