マグレガーという学者は、組織での人間行動には2類型があるとし、それぞれに適した管理のあり方について考察している。
人間は本来怠け者であり、仕事をしたくないというタイプの人間が一方であり、これをX理論型人間と呼んでいる。 これに対してY理論型人間は自発的に行動し向上の努力をするというタイプである。
X理論はいわば人間を性悪説としてみる見方であり、Y理論は性善説の見方ともいえる。 マグレガーは組織目標を達成するためには、X理論型人間に対しては強制や命令による管理が必要と考えた。 他方、Y理論型人間には目標管理制度や経営参加制度などが有効であると提唱した。
テレワーカーの管理は、この理論で考えてみるとわかりやすい。 テレワークは社員の自律性を重視するということから元来、Y理論にもとづく仕事の仕方といえる。 そこで、Y理論型の部下に対して、上司がY理論型の管理を行う場合に最も大きな効果が得られると考えられる。 しかし、テレワーカと上司の関係がいつもそうとは限らない。 Y型の部下に対しても、こと細かに指示をし絶えず行動をチェックしないと気がすまないという上司もいる。 一方、部下がX理論型人間である場合は、もともとテレワークには向いていないことになる。
そこでテレワークを成功させるには、申請の段階でテレワーカ自身が適性があるかどうかを評価し認定するとともに、部下の管理についての上司の理解が不可欠である。 (2月23日)