音声読み上げの利用時に配慮して、ナビゲーションをスキップして、コンテンツへジャンプします。
メインメニューへジャンプします。
サイト情報へジャンプします。


ホーム > コラム > 128. 68. 「バースデイマーケティング」
コラム コラム

    68. 「バースデイマーケティング」

商品の価値が時を追って下落し、待っていれば優れた機能の新製品が安く手に入るデフレ時代である。 そこで営業には、消費者個人の生活の奥座敷にまで入り込み、心の琴線に触れるアイデアが求められる。 お客様の一人ひとりに直接営業をするワンツーワンマーケティングやダイレクトマーケティングが大事になる。

医者や弁護士など、かつては営業とは無縁であった世界も所詮お客様あっての商売だから例外でない。ことに米国ではこれらのエキスパートの競争は激しいため、優良顧客を獲得するのに知恵を絞っている。 弁護士もさることながら、お医者様のお客対応のよさには感心してしまう。 たいていの町医者は愛想がいし親切であるので、次回も診てもらいたいと思うようになる。バースデーカードイメージ

とある歯医者のお話。 処置を済ませた翌日、その歯医者より電話があり、「具合はどうか。問題ないですか」と尋ねてきたのである。 さらに驚いたのは、誕生日に綺麗なバースデーカードがその歯医者から届いたのである。

誰しも、誕生日を覚えておいてくれ、カードが届くと嬉しいものである。 思うところ、誕生日にちなんだ特別サービス付きマーケティングは、古くて新しい手法かもしれない。 第一に誕生日は誰にも公平にある。 僅かなお祝いでも嬉しくなる。 そして、売り手にとって有難いのは、人の誕生日は一年中、平均して分散している点である。 盆や正月に集中してあるわけでない。 このように繁閑の差がないことは、売り手側が仕事をするうえで都合がいいわけだ。

それはともかく、米国人は誕生日のお祝いが大好きである。 レストランでは、「ハッピーバースデー」の声が聞こえるテーブルをよく目にする。 子供たちのバースデーパーティーの趣向を考えるのは親の大事な役目である。 これから一層増えるシニアたち。 もはや誕生日を祝ってもらうような歳でないと言いつつも、覚えてくれている人がいると思うだけで嬉しいのではなかろうか。(6月20日)