シルバー市場は、非常に有望な市場であるから、今後、高齢者の視点で商品開発が進むことが期待される。そのなかでパソコンや携帯電話などの情報通信機器は大型商品であり、各社も開発にしのぎを削っているに違いない。 特にパソコンについては国民生活白書などの統計からも、インターネットでWEBサーフィンをしたり友人や親類家族と電子メールをするために、「今後、習いたい」とする高齢者が多い。 全国の地方自治体などが開催しているパソコン教室においても元気な高齢者の参加が少なくないようだ。
問題はパソコンのキーボード入力であろう。アルファベットやローマ字になじみのない老人たちにとっては最大の難関である。 キーを捜すのは一苦労であるし、促音や吃音を入力するというのも至難の技である。このキーボード入力がなんとかならないかと思っている方々は多いであろう。 一つの解決策は携帯電話方式である。 10個の数字キーにあ行から順番に対応させて、同じキーを複数回たたくことでその行のひらがなを選択する方法である。 キーの入力回数は多少多くなるが、ローマ字入力に慣れない老人にはとっつき安いと思われる。 電話用のテンキーしかないLモードもメールやインターネットにはこの方法が採用されている。
そこでパソコンもテンキーを使用した入力方式が今後、有望と思う。 日本語辞書や学習機能をソフト処理として組み込むことにより、キーの入力回数を半分程度にまで減らす方式も考案されている。 高齢者に限らず携帯電話の入力に慣れた人間にもパソコンのローマ字入力より早く慣れるのではないだろうか。 パソコンでは携帯電話に比べて大きさやデザインに制約が少ないしテンキー自体は単純である。
入力方式ということで更に視野を広げると手書き入力方式や音声入力方式がある。 ことに手書き入力については、昨年、マイクロソフト社が華々しく登場させたタブレットPCが有望である。 パソコンCPUの性能向上のおかげで誤認識は少ないし、認識の速度も速い。これは高齢者には大変強力な助っ人になりそうである。難点はまだ価格が高いことである。いづれ廉価になるに違いないが、待っておられない高齢者も多いだろう。早く廉価版のタブレットPCを出してください。マイクロソフトさん(とPCメーカさん) (6月16日)