価値ある情報を意味するナレッジを蓄積し、皆で共有していくナレッジマネジメントが重要になっている。 記憶や整理はコンピュータのおてのものである。 社内がネットワーク化され、各人がきまった形で情報を登録しておくことで、意外な人に意外な用途で役に立ってもらえることがあるものだ。
最近は検索エンジンが進歩したおかげで、質問内容をキーワードの組み合わせで問い合わせると即座に、これらのキーワードを含む社内文書の検索結果を表示するシステムが登場している。 なかには、情報毎のアクセス件数やアクセスした部門のログ、さらにはその情報に対する評価をフィードバックする欄を作っているものもある。 どの位、その情報が社内で役立っているかの指標になるわけだ。
世界最大の書籍オンラインショップであるアマゾンのシステムのようなものである。 アマゾンでは、買いたい本があればキーワードで検索してくれるし、本の説明には、その本を読んだ人の簡単な書評や評価ポイントがあるから購入の際の参考になる。
このように、適切なフィードバックを行うことは情報を発信する側にとって大きな励みになる。 社内でのナレッジマネジメントの場合、情報そのものだけでなく、その情報を誰が登録したかという点も大事である。 つまり、その関係についてよく知っている人は誰かを教えてくれているわけである。 質問者の側では、文書として表現するのが難しかったり、より詳細な説明が必要な場合がある。 情報の発信者を載せておけば、電話なりメールなりで直接問い合わせることができるわけである。 日本企業のよい伝統は、社内のメンバーから自分のもっている知識やノウハウを社内のメンバーに伝えようとするところであると思う。
いかに知識のデジタル化が進んだといっても、どうしてもアナログ的な部分が残るし、情報の受け手の側の様々な状況を考えたうえで内容を書き分けることは難しい。 ネットが普及しても大事なのはKNOW WHO、やはり企業は人なりということが再認識されるのである。 (6月2日)