米国には、コミュニティカレッジと呼ばれる社会人教育学校がいたるところにある。ここでは、地域住民のために、基礎的な教育科目から、就職に必要な職業科目、さらには趣味や教養といった科目まで幅広いカリキュラムが用意されている。
その運営には、地域の住民や地元の企業が多大な協力を行っているのに特徴がある。 運営のための理事会には、NPOや地元企業の経営者などが参加している。 カリキュラムは、住民のニーズの高いテーマが選択され、講師陣の多くも地元の企業や住民が担当している。
地元の各家庭には半年あるいは一年といった単位で、カリキュラムを載せた数十ページにも及ぶガイドブックが新聞に混じって配達される。 カリキュラムは、実に多彩かつ実用的である。 職業訓練関係ではコンピュータやネットワークに関するものが多いが、お国柄、自動車の整備、家の建築というようなものもある。 趣味・教養はダンスとか、フランス文化等、日本の朝日カルチャーの地元版といったところであろうか。 語学コースも多い。 非英語圏の人々のための英語はいつでも人気が高いのは当たり前であるが、日本語などの外国語のコースも多い。多民族国家であるからこのようなコースの講師には不自由がないのであろう。
(5月29日)