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    54. 「eラーニングで学校も変わる」

子供たちの教育にもeラーニングが普及すると、学校や教室の意味が大きく変化してくる。 先生が教壇から一方的に伝える形式の授業は意味が薄れていく。 こうした知識伝達型はeラーニングの方が優っている。 生徒は学習の時間や場所を選べるだけでなく、わからない部分は何度も繰り返し聞くことができるし、逆にわかっている部分はスキップできるからだ。

よくできたコンテンツでは、学校の教師より上手にわかりやすく教えてくれる。 eラーニングではビデオやアニメーションなどを使うことで学習効果が高められる。 特に、理科や社会のような教科はこれらによる効果が大きい。 理科では、実験によって人間の五感として体験するのが大事だが、実験が容易でないものはビデオやアニメーションがいい。 歴史や地理などの社会科においても、これらが優れた効果をもっていることは容易に理解できる。学校校舎イメージ

学校教育では1クラスで数十人という生徒を相手に教えるわけであるから、明らかに全員のニーズを満たすわけにはいかない。中間的なレベルの生徒に合わせて授業をすると、それより遅れている生徒からも進んでいる生徒からも不満がでるのは当然だ。

教育は本来、ひとり一人の資質能力や進度にあわせて個別であるべきものである。 実際、学校教育の補完的役割を果たしている学習塾の多くは、個別指導を売りにすることで成功している。

勿論、eラーニングによって、従来型の学校がいらなくなるというわけではない。 多様な人間がいて多様な考え方があること、その中での協力や友情は共同生活のなかで育まれる。 個々人が傷つきやすく不安に陥りがちな現代においては、特にこうした教育が重視されなければならない。 特に、人前で自分の意見を述べたり、議論をかわすことのできる能力の向上が必要だ。 一方向的な知識伝達の役割はeラーニングにまかせればいい。 学校教育は人間同士の交流やぶつかり合いの中で、社会人の基礎を作るのが第一目的に変わっていくべきだろう。(5月16日)