ITリテラシーとして習得しておきたいものに検索技術がある。 まあ、技術というほど大仰のものでなく、操作あるいはテクニックの類のものだが、慣れておくと大変便利である。 立花隆さんだが「インターネットはグローバルブレイン」と言ったように、インターネットは確かに、世界中の図書館、博物館に居ながらにしてアクセスできる知の宝庫である。 そして、この途方もない超大な宝庫から、自分が求める情報を上手に引き出すのが検索技術である。
基本は、情報検索サービスを提供しているWEBサイト(検索サイト)でのキーワード入力である。 そこで、第一にはこのようなサービスを提供している検索サイトをいくつか知っている必要がある。 各サイトは特徴があり、得手不得手のジャンルがあるからだ。 求める情報に早くたどり着くには、うまいキーワードの組み合わせが鍵となる。 あとはキーワードの入力になるが、適当なキーワードの選択には、勘や経験がものをいうようだ。 海外関係の情報入手には翻訳サイトを上手に利用するのがコツである。 それから、文字列をコピーするカットアンドペーストの機能を使うこと。これによって、文字列をいちいち入力する手間が省けるから、おおいに時間の節約になる。
こうした検索技術の進歩を見ると、記憶はコンピュータ、それもインターネットでつながった世界中のコンピュータにまかせればよいというのを実感する。 丸暗記は不要になり、必要な時に必要な情報をインターネットでうまく引き出す能力が基本的なリテラシーとなってくる。
昨年末にNHKのBSで放映した「日韓IT対決」という番組は、この検索技術を使ったおもしろい番組だった。 日韓の情報検索のプロと呼ばれる方々が、「ケネディ大統領がホワイトハウスで育てていたペットは何ですか」とか、「この絵の食べ物は相手国では何と呼ばれていますか」というような問いの答えをインターネットで調べて答えを出すという対抗戦である。 そのスピードにはぶっ飛んでしまった。
こういったクイズは子供たちでも簡単にできる。 お互いに問題を出しあって、それを競争して調べるというようなお遊びである。 あわせて、インターネットの使い方やエチケット(ネチケット)を教えたい。
もちろん、「お調べ」の勉強に終始してはいけない。コンピュータは「単なる道具」にすぎない。 そのTV番組のなかで紹介した韓国の小学校は、そのことを充分意識してグループ学習の中でコンピュータを上手に活用していた。 教育や学習のあり方が根本的に変わるのではないだろうか。 (4月11日)