会社には、自分がいなければ仕事は進まないし、部下は困って途方に暮れるだろうと思っている上司は少なくない。
しかし、このような上司をもつ部門に限って、その上司が出張などで留守をしても仕事は問題なく捗っているし、部下の面々はいつもより明るく生き生きとしていたりする。 別にこれは不思議なことではなく、上司自身の勝手な思い込みであったり、部下の能力の過小評価に過ぎない。 上司がいなければいないなりに部下は責任を持って対応し、必要になれば上司と連絡をとって臨機応変の処理ができるのである。
勿論、上司が出張していても仕事が滞りなく進むように不在時の対応方法が決められている必要はある。 たまに上司がいない方が部下には有難いかもしれない。 四六時中、監視された状態から逃れられるというだけではない。 上司がいないことで、自分たちがやらねばという責任感が生まれたり、上司抜きでなければできない議論ができたりする。
かつて、とある上司は今でいう在宅テレワークを時々行っていた。 彼は電話により部下に指示を出していたが、部門の仕事はこれによってなんら支障なく進んだ。
上司はたまには留守をする方が部下は育つのである。 そこで上司みずから、週に1日位の在宅テレワーク、つまり自宅への出張をすることをお勧めしたい。 「亭主元気で留守がいい」もあるが、会社では「上司、たまには留守がいい」であり、自宅では「育児しない亭主はいくじなし」の時代なのかもしれない。(3月28日)