兵庫県教育研修所の谷口先生による「Eラーニングシステムを利用した漢字学習の支援」という発表も興味深かった。
小学校での国語の授業で、漢字を覚えるのに苦労したのは誰しも記憶にあるところである。 漢字数がやたら多いのに加え、漢字一つでも音訓の読みやら筆順やら、覚えることが実に多い。 子供たちの学習速度は大きな個人差がでてくる。 そこでEラーニングである。 紹介された「かんじくん」というコンテンツでは、書き順に合わせて一画づつ黒く染めて表示される。 音と訓のよみ、熟語なども音声とあわせ表示される。 視覚と聴覚の活用で理解が早くなり、一人一人が学習進度に合わせ学習できるのはEラーニングの得意とするところだろう。
漢字というのは奥が深いから、色々なコンテンツの可能性がありそうだ。 象形文字、部首の組み合わせ、語源などなど。 もとになった動物や物の形がモーフィングで最後には漢字に変身するという表示も考えられる。 いくつかの部首が部品となって組み合わさることで新たな意味の漢字ができることをビジュアルに示すのもいいかもしれない
そういえば外国人とお酒の席で話題に困った時には、小さな紙をとり出して自分たちの名前を漢字で書いたことを思い出す。 続いてその文字の意味するところを説明するといつも座が盛り上がった。 無味乾燥なアルファベットを操る西洋人には、数千にも上る字を瞬時に識別し、その一つ一つの文字に奥深い意味があるということに驚嘆の眼差しを向けるのである。
すでに実用化や開発がはじまっていると思うが、今回のようなEラーニングを活用した優れた漢字学習コンテンツが普及すると、子供たちは勿論のこと、遠く海外からネットワーク経由で勉強を始める外国人も少なくないのではないかと思われる。 (3月19日)