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    16. 「主夫業も慣れたもの」

日本企業では男性社員が育児休暇をとることは稀であり、まして、主婦ならぬ主夫になって子供の面倒をみている例は非常に少ない。 一方、米国では、男女同権、夫婦での協力が当然というお国柄であるから家事に精出す男性諸氏は珍しくない。

米国在住のおり、息子の近所の学校友達の父親がその例であった。 母親は大手企業のエギュゼキュティブであるため超多忙で出張も多い。このため3人の小学生の面倒を含む日常の家事のほとんどは父親の役目になっている。 この父親はれっきとしたエンジニアであり自宅をベースにソフトウエアを開発している。仕事は夜間にすることが多いことから昼間は子供たちの面倒をみることができる。スーパーで買い物をする男イメージ

大変快活でまめな性格であり、子供たちの学校の送り迎え、買い物、食事の世話で毎日大忙しである。 その子供がしばしば筆者の家まで遊びにきたが、その際の送り迎えは無論父親である。近所のスーパーでは大きなカートに食料品をのせ、近所の主婦に笑顔で挨拶する。小学校の参観日は平日のことが多いので決まってお父さんの出番である。

彼を見ていると家事を心底楽しんでいる様子で感心してしまう。小さな子供を多く抱える家庭には男性が家事をするのがいいのではないかとさえ思ってしまう。たとえばスーパーでのまとめ買い。 米国では飲料水を大きなボトルで購入するので、女性の細腕には結構しんどい。 腕力体力があるというのは子供と一緒に遊んでやる時にもいい。事実、息子の友達は父親と外で遊んだりゲームをしたりするのが大好きであった。 偏見かもしれないが、忍耐力や安定した情緒という点でも男親の方が幼児の養育にはいいかもしれない。

学校や地域コミュニティーでの活動の面でも、男性が混じっている方が多面的な見方ができてよい。息子たちが通っていた小学校の参観日には、必ず何人かの父親が出席し、教師との懇親会においても積極的な発言をするとのこと。

食事の世話はどうかと思ったが、これは米国のこと、調理済み食品を電子レンジでチンとか宅配ピザとか、あまり手を掛けることはないらしい。もっとも主婦の場合でも大差ないようではあるが。(3月10日)