最近のeラーニングシステムでは、生徒が同じ時間に様々な場所からオンライン授業に参加する同期型と呼ばれる方式が各種登場している。 これに対して、ウェブ上にて好きな時に好きなコースを自習するWBTは、非同期型eラーニングと呼ばれる。
同期型のいい点は、ビデオの活用や生徒からの質問を受けるなどの双方向性を持たせることで学校教室と同じような授業が受けられる点にある。 そこで、これをバーチャルクラスルームと名づけているシステムもある。
eラーニングでは、生徒のデスクトップに教壇に立つ先生がビデオに映り、別のウインドウにはパワーポイント等のスライドが授業の進行につれて紙芝居のように動くというのが多い。 同期型では、これに加えて、生徒のPCに簡単なWEBカメラやマイクをつけ、生徒の一人一人の顔が先生のPC上に写るようにしているシステムもある。 最近では、各生徒の側もADSLのようなブロードバンドアクセスのインターネットで接続できるからこれによってある程度の反応はわかる。もちろん、一人ひとりのウインドウは小さいし、画質も悪いから細かい表情の動きはわからないが、寝ているか起きているか程度はわかる。生徒の理解度を知るために、カメラに向かって手を上げてもらったり、質問を求めることもできるわけである。 当然、生徒の方の理解度、緊張度も高まるし、一方向で相手の反応が全くわからない放送型に比べ、先生も心理的に助かる。テストやアンケートができるように生徒側の応答を記入できるようにしたダイアログウインドウ機能を持つものもある。 クリックすると集計結果がまもなくグラフ表示されるから、生徒もゲーム感覚で参加意識が高まる。
更にもう一つ、このような同期型システムで有効な機能にチャットがある。
授業の進行中に生徒はチャット画面で、質問の書き込みを入れることができる。 実は、生徒の方が音声で話をする場合、多人数が同時に発声するとハウリングが起こってしまうので話す順番を交通整理する必要があるが、この点チャットは便利である。
最近の若者はケータイなどでこうした書き込みには慣れているから、しゃべるよりもポイントがわかり易くなったりする。 普通の教室にもPCを持ち込んで教壇の先生の授業をききながら、生徒はチャットで質問ができる方式を実験をしているところさえあるようだ。(11月29日)