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    112. 「父さんとドーナッツ」

米国在住のおり、子供が通っている現地の公立小中学校を訪問する機会が多くあった。 その際、日本に比べ、父母の学校活動への参加が活発であったことが印象に残っている。  学校側は、日ごろ、子供の親に向けて実に多くの情報提供をする。 同時に、父母たちに対して学校の事務や行事にボランティアでの活動を積極的に求める。 一方、親たちは、学校教育について色々な意見や提案をすると同時に、進んでこれらの仕事をひき受けるのである。

学校運営について学校側の自由度が大きいだけでなく、寄付やボランティアに頼らざるを得ないという台所事情もあるようだ。 学校と家庭の双方向の協力により、お互いを身近に感じるようになるという効果があるが、これは子供の教育に大変よいことであるに違いない。ドーナツとコーヒーカップイメージ

父母の学校参加の機会を増やすため、色々な工夫がなされている。 例えば、近くの小学校では、忙しい父親の教育参加を考えて、Dad for Donutsという名前の朝食会があった。 出勤前に、お父さんに学校に立ち寄ってもらい、教室内でドーナツを食べるというだけのものである。 教室の入り口でドーナツと紙コップいりのコーヒーを受け取り、これを食べながら、子供たちの日ごろの学習の成果の掲示をながめたり、自分の子供に色々たずねたりする。 これには、ボランティアの父母が協力していた。 先生も出席しているが、質問があれば答える程度で、特にプレゼンをするわけでもない。  というように、特別の準備もないいたって簡素なイベントであるが、出勤途中に30分程度、立ち寄るだけで、何となく学校や子供たちが近くなったような気分になったことを覚えている。  (10月28日)