テレワークはいいことづくめのようだが、実はリスクもある。 一つは、仕事をしすぎるということ。 集中度が高まるから、時間を忘れてパソコンにかじりついてしまい、気がつくといつのまにか夜が更けている。
第二のリスクは、社内とのコミュニケーションが少なくなることである。 テレワーカーが社内の少数派である場合、これは切実な問題である。 社内の悪口のようなどうでもいい情報もあるが、中には知っているといないでは大違いの情報がある。 そこで、信頼できる同僚に情報連絡をお願いしておくとか、部内の定例会合への出席を怠らないようにするなど、その対策は抜かりのないようにしなければならない。
これらはテレワーカーの一般的といえるリスクである。 ところで、テレワークをしたいという本人希望は年齢層や職種でかなり異なる。 希望の多いのは30代、それに技術職であり、この層の潜在的希望者は9割にも達するとの調査結果がある。(「日本のテレワーク人口調査研究報告書」、日本サテライトオフィス協会、平成8年) パソコンがあれば家でも可能な仕事が多くなったし、もとより自分の能力に自信を持つ人々である。 加えて家庭は夫婦共稼ぎで、育児を分担したいというニーズがある。 特にこれからは多くなるだろう。
一方、中高年の場合、スタッフ職の割合が高いし、郊外に家を持ち子供も育ったのでスペース面での条件もそろうから、在宅テレワークを導入しやすいのだが希望は少ない。 どうしたわけだろうか。思うに中高年特有なリスクがあるからではないだろうか
ひとつは、机がなくなるのではという恐怖感であり、あえて説明は不要だろう。 二つ目は家族、ことに「亭主元気で留守がいい」と言っている奥様との調整かもしれない。 亭主が自宅では世間体が悪いし、それに三食昼寝つきができないではないかという奥様の声に逆らえないというわけ。
加えてもう一つ、半分冗談、いや考えようによっては極めて深刻となるリスクもあるかもしれない。(次回に続く) (9月26日)