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コラムコラム

    162. 「HP社の在宅勤務」 (12月17日)

在宅勤務の先進的企業に、米国シリコンバレーに本拠を置くHP(ヒューレット・パッカード)社がある。2003年6月10日の読売新聞記事によると、同社の資材管理部長のエリスさんという女性は育児のため週2回の在宅勤務をしているという。

同社は女性が会長兼CEOを努めることでも有名であるが、働きやすい企業としても知られている。エリスさんが「人生で最良の決断」となる同社への就職を決めたのは、同社に在宅勤務制度があり、しかも給料や昇進に影響がないことを聞いたからだそうだ。

情報通信を専門とする企業だからできるとの理屈もある。しかし、知識社会では程度の差こそあれ、仕事のやり方はどこでも似たようになる。加えてお客となる消費者の半分は女性である。特に、日本では財布を握っているのは女性の方が多いから、生活者向けの商品開発や営業には女性の方がより適性があるかもしれない。在宅勤務する女性イメージ

ところで、わが国では少子化に歯止めがかからないことから、昨年、「次世代育成支援対策推進法」なる法律が成立した。自治体や従業員が3百人超の企業は、出産や育児を支援する行動プログラムの提出が義務づけられることになった。そこでは育児休職・休暇などが推奨されているが、課題は多い。例えば育児休職をとった場合には、休職後の職場復帰の際に相当の苦労を要するだろう。処遇面での問題もあるに違いない。そこで、有望な方策として、完全に仕事を中断するのではなく、多少、仕事量を減らして継続する短時間勤務や在宅勤務、すなわちテレワークがあるだろう。 その際には家庭と仕事の切り分けが困難となることや、仕事に夢中になる余り幼い子供がほったらかしにされる危険があるなど懸念があるが、十分な対策をたてることで両立は可能なのではなかろうか。

HP社のように米国の先進企業はすでにそれをやっているのである。これからは人材、いや人財こそが企業の命運を決める時代である。このためには「働きやすい企業」として認知されるようになるのが重要な企業戦略である。 (12月17日)