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    1. 「空き教室を地域住民の自習室に」

急激な少子化にともなって全国各地の学校で空き教室が増加している。

正しくは空き教室ではなく余裕教室というそうであるが、この余裕教室の利活用については教育や地域社会の今後を考えるうえで大きな可能性がありそうである。 学校施設のうち体育館や校庭については、地域住民のスポーツ活動等に開放している学校は多いが、余裕教室においてもすでにいくつかの公立学校では、生涯教育や児童の生活教育などのために開放する試みが始まっている。 そこで余裕教室の利活用には色々なアイデアがあると思うが、学生や社会人の自習室としての利用はどうだろうか。 というのも、自宅の近くで学生や社会人が自習できる場のニーズが高いと考えられるからである。学校校舎イメージ

そのような場所の一つに公立図書館があるが休日ともなると座席は勉強する学生たちでいつも埋まっている。 静かで集中できるし、同じように学習に励む学生たちが周りにいるので、自宅にいるよりずっと身が入るということがあるのであろう。 一方で、たまの休みに図書館に言って本を広げたいという社会人にはもう少しスペースがあったらと思うこともあるだろう。ことに美術全集などの大判の本は机の上でないと楽しめない

社会人の間では、世相を反映してか資格取得などのために勉強に励んでいる人が多くなったという。 資格取得のための学校では自習室が大人気で、週末にもわざわざ自習のために通ってくる社会人たちも少なくないとのこと。 さらに、学習意欲の旺盛な高齢者の数も増加している。 子供たちの学習塾でも、自習室の利用度が高いそうであり、これを売りにしている塾も結構多い。

そこで、生徒数減少によって空き教室が生じている公立小中学校にて、週末を自習室に開放してくれたら喜ぶ人々が多いだろう。 近所の学校の教室に再び戻って、自分だけの目標を目指して学習すると考えただけでも何かわくわくしてくるではないか。

勿論、セキュリティ確保などの管理運営面で検討すべき課題はいくつかあるであろう。 冷房設備など、最小限の機能追加も必要となろう。 運営には地域のボランティアの力が必要になると考えられるが、協力を申し出る人々は少なくないと思われる。 初期投資は別にして、維持管理のために利用者から小額の利用料をとることは何ら問題はないであろう。 土曜日が休日になるという話もある。 学校や地域の実態に則して住民の学習拠点として利活用を図るのは時代の要請にあっているといえるだろう。 (1月6日)